膠原病の中の強皮症の特徴と、患者さんの寿命や余命について
膠原病は、単独の病気ではなく、いつくかの病気のグループからなる病気グループの総称となります。
そして、強皮症は、その病気グループのひとつであり、細胞と細胞を結びつける膠原線維が異常に増えることが原因で、皮膚が硬くなっていく病気です。
強皮症は、ほかの膠原病の病気グループの病気と同様に、圧倒的に女性の発症率が高い疾患であり、患者の男女比は1:7となっています。
また、発症年齢については、30代〜40代が好発年齢層となっています。
強皮症の病変は内臓にまで及び、体にさまざまな不調を引き起こし、強皮症が原因で寿命を縮める方も少なくありません。
強皮症の病変は、消化器の異常として現われる場合が多く、頻繁にげっぷが出たり、胸やけなどの症状が現われます。
また、強皮症で皮膚の効果が進むと、食道の動きが低下してしまい、食べた物が飲み込みにくくなってしまいます。
胸やけは、胃の入り口の筋肉が線維化して硬くなり、胃液が逆流するために引き起こされる症状となります。
医学的には「逆流性食道炎」と呼ばれる内臓の病気です。
膠原病の一種である強皮症の内臓の病変で、肺の線維化には特に注意が必要です。
肺の機能低下を招き、呼吸困難を引き起こす可能性があるために、死の危険性がありあきらかに寿命を縮める原因となります。
強皮症を完治させる薬は存在しませんので、個々の患者さんの症状に合わせて薬物療法が施されるようになります。
急速に症状が悪化して、膠原病を発症後数年で寿命が尽きてしまう場合もあれば、緩慢な経過をたどって徐々に進行する場合もあり、患者さんごとに寿命や余命は大きく異なります。
膠原病の中でも強皮症の進行と寿命に関しては、予想することが困難であるというのが実際のところなのですが、全体的には進行は遅い傾向がある疾患です。
患者さん全体の10年生存率は約65%となっています。
この病気で寿命や余命を決定するカギを握るのが、内臓の病変です。
病変が肺や心臓に現われると、寿命や余命は短くなります。
内臓の変化を未然に防ぐ手立てを施すことによって、余命を伸ばすことは可能です。
膠原病の一種である関節リウマチは、通常、直接の死因になることはありませんが、リウマチ患者さんの余命は6年〜9年短いという余命に関する研究結果が存在しています。
膠原病の中で関節リウマチの余命が短くなるのは、発熱などの全身症状が強く、間質性肺炎や心膜炎、胸膜炎などを起して予後が悪くなることがあるためです。
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