膠原病の皮膚症状とかゆみについて
膠原病の患者さんの中には、皮膚に皮疹が出たことが発症に気がつくきっかけとなったという人も少なくありません。
膠原病の症状として現われる皮疹は、多くの場合かゆみを伴わないという特徴がありますので、皮膚に皮疹ができるほかの疾患と区別する時に、かゆみがないということが重要な診断の手がかりとなります。
膠原病は、単独の病気ではなく、いくつかの病気からなる病気グループの総称となります。
そして、皮膚に皮疹の症状が現われる代表的な膠原病が、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、結節性多発動脈炎となります。
そのうちの全身性エリテマトーデスの場合には、顔、とくに鼻を中心として蝶が羽を広げたような形の紅斑(蝶形紅斑)が見られるということと、表面が薄皮状ではがれやすい、慢性の丸い形の皮疹が出ているという項目が、診断基準の中に入っています。
前述しましたように、全身性エリテマトーデスの症状で皮膚に現われる皮疹にかゆみはありません。
膠原病の症状で皮膚に出る皮疹は、動物にかまれた跡のような形をしていたり、小さくてしこりを伴うものであったり、地図状の大きなものであったりなど、膠原病の種類や状態によってさまざまなのですが、かゆみを伴わないということは共通しています。
多発性筋炎・皮膚筋炎は、筋肉の組織が破壊される病気です。
筋肉だけに症状が出るものが多発性筋炎であり、筋肉のみならず皮疹が出るなど、皮膚症状を伴うものが皮膚筋炎となります。
とくに上まぶたにできる薄紫色をした紅斑は「ヘリオトロープ疹」と呼ばれており、この病気を診断する手がかりとなる症状です。
膠原病患者さんで、かゆみがある皮疹が出た場合には、薬疹の可能性があります。
アレルギー体質の人は、薬疹が出やすいという傾向がありますので、かゆみのある皮疹が出た場合には、主治医に相談してパッチテストを受けられることをおすすめします。
薬疹の場合、かゆみのある皮疹が胸やお腹に出ることが多いという特徴があります。
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