膠原病のような難病に対する医療費の助成について
膠原病は、医学が進歩した現代においても根治療法が確立されていない、いわゆる難病と呼ばれる病気であり、膠原病を発症するとそれまでに比べて仕事が思うようにできなかったり、体の無理がきかなくなります。
生命保険にも簡単には加入することができなくなりますので、患者さんの精神的・経済的負担は非常に重いものとなります。
わが国では、根治療法が確立されていない難病に対して、難病対策事業という政策が行なわれており、難病対策事業の対象となる病気は、特定疾患と呼ばれています。
特定疾患のうちで公費負担の対象となる疾患に罹患した場合、公費負担に関する申請を行なって、特定疾患患者に認定されると、かかる医療費の全額もしくは一部が公費で助成されるという制度が整えられています。
医療費が助成される難病対策事業によって、膠原病が悪化して働けなくなり、経済的に逼迫するリスクを回避することができます。
ただし、医療費助成の効力が発揮されるのは、特定疾患の申請日以降です。
申請日以前にかかった医療費に関しては、公費から助成を受けることができず、かかった医療費の3割が自己負担となります。
国の難病対策事業は、昭和47年にスタートされました。
そもそも膠原病とは単独の病気ではなく、いくつかの病気からなる病気グループの総称となります。
現在、医療費が助成される公費負担の対象となる難病は45個存在しています。
膠原病の場合、悪性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、結節性多発動脈炎、大動脈炎症候群、ベーチェット病、ウェゲナー肉芽腫症が特定疾患に認定されている膠原病となります。
なお、東京都と一部の県では、シェーグレン症候群も認定されています。
特定疾患に認定され、医療費が公費から助成される疾患に共通していることは、診断基準が確立されており、なおかつ重症度が高くて治りにくく、患者数が比較的少ない疾患であるということです。
つまり、公費助成という形をとらなければ、原因の究明や進展が見込みにくいという考え方がベースにあります。
膠原病は定期的な血液検査が必須なのですが、血液検査は高額になる場合が多いので、公費負担が受けられるかどうかによって、患者さんの経済的負担は大きく変わってきます。
定期的に診察を受け、血液検査を行うことによって、病態の変化が把握でき、悪化を未然に防止する対策を講じることが可能となります。
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