膠原病の一種である全身性エリテマトーデスの白血球減少
膠原病は、単独の病気ではなくいくつかの病気からなる病気グループの総称となります。
膠原病の診断では、診察、尿検査、血液検査、画像検査などが行なわれ、それらの検査結果を総合的に判断して診断がくだされるようになります。
膠原病の診断の際に行なわれる血液検査は、検査項目が多く特殊なものなのですが、一般的な健康診断でも必ず行なわれる白血球と赤血球の数値の検査も含まれています。
血液中には、白血球と赤血球などの有形成分が存在しており、それぞれが特有の働きを担っています。
そして、白血球・赤血球の数値は、膠原病のひとつである全身性エリテマトーデスの診断に役立ちます。
全身性エリテマトーデスの診断基準の中に、白血球減少、溶血性貧血、リンパ球数減少、血小板数減少という項目が入っています。
そもそも白血球は、体内に侵入してきたウィルスや細菌から体を守る働きをしています。
体内で炎症が起きると、白血球は仲間を増やして炎症を抑えようと作用します。
ゆえに、白血球が増えるということは、体内で何らかの炎症症状が起きているということを意味しています。
膠原病の患者さんは、リウマチの悪化による炎症で増加する以外にも、ステロイド薬の服用の影響で、白血球の数が増加することがあります。
この場合の増加については、とくに治療の必要はありません。
通常、ステロイド薬の減量によって、減少していくのを待つようになります。
膠原病の一種である全身性エリテマトーデスの診断基準は11項目存在しており、11項目のうちの4項目に該当すると、全身性エリテマトーデスと診断がくだされます。
そして、前述しましたように、診断基準の中に血球の検査で赤血球の破壊による貧血や白血球の減少、リンパ球減少、血小板減少などの異常が見られるという項目が入っています。
膠原病は、根治療法が確立されていない病気となりますので、治療の目的は症状の軽快と悪化防止となります。
血液検査は、少量の血液を採取するだけで済みますので、患者さんの肉体的な負担が少なく、繰り返し何度でも行うことができるというメリットがあります。
膠原病の診断の手がかりになるのみならず、病気の経過を予測することもできます。
関連ページ
- 膠原病の初期症状と湿疹とかゆみ
- 膠原病の疑いがある症状と、問診票の項目によるチェック方法
- 膠原病の皮膚症状とかゆみについて
- 膠原病の初期症状となる足のむくみ
- 膠原病の初期症状に蕁麻疹が出る理由とは
- 膠原病の初期症状や子供が罹る小児膠原病の症状などについて
- 膠原病の症状で、顔の皮膚などに赤い湿疹が出ます
- 直接的な死亡原因ではない膠原病の症状と、患者さんの寿命
- 膠原病の中の強皮症の特徴と、患者さんの寿命や余命について
- 膠原病の一種であるSLEは完治するのか
- 膠原病の血液検査における抗核抗体の数値について
- 膠原病の血液検査の項目について
- 膠原病の血液検査で異常なしで出た場合
- 膠原病の血液検査での抗核抗体の数値について
- 膠原病の診断の際に行なわれる血液検査の費用について
- 膠原病が遺伝する確率について
- 膠原病を悪化させる原因となる精神的ストレス
- 自己免疫疾患である膠原病患者さんの免疫システムの違い
- 完治することのない膠原病の治療について
- 膠原病の患者さんは、生存率を高めるために間質性肺炎に注意が必要
- 膠原病の一種である強皮症の合併症である間質性肺炎と予後について
- 膠原病のような難病に対する医療費の助成について
- 膠原病患者さんの妊娠・出産のリスクについて
- 膠原病に似た症状の病気は、多く存在しています
- 膠原病を発病すると疲れやすい
- 膠原病と診断されたら
- 膠原病の男性の有症率と、患者さんの仕事について
- 膠原病の原因は解明されていませんが、食生活で改善させられます
- 膠原病の治療期間について
- 膠原病の症状である赤い斑点について
- 膠原病の予備軍の症状